走れよメロス

一般財団法人、理数教育研究所が開催した「算数・数学の自由研究」作品コンクールに入賞した「メロスの全力を検証」という研究結果がとても興味深いです。

中学2年生の村田一真くんによるこの検証では、太宰治の小説「走れメロス」の記述を頼りにメロスの平均移動速度を算出。

その結果、「メロスはまったく全力で走っていない」という考察に行き着きます。端的にいうとメロスは往路は歩いていて、死力を振りしぼって走ったとされる後半の戦闘などの奮闘後も「ただの早歩きだった」というのです。メ、メロス…。

 

メロスは作中、死刑になる前に妹の結婚式に行くために友人を人質にし、王から言い渡された3日間の猶予のうち初日と最終日を使って10里(約39キロ)の道を往復します。今回村田君の研究ではこの道のりにかかった時間を文章から推測。

例えば往路の出発は「初夏、満天の星」とあるので0時と仮定、到着は「日は既に高く昇って」「村人たちは野に出て仕事を始めていた」とあるので午前10時頃と仮定…距離を時間で割った平均速度はずばり時速3.9キロ。うん、普通に歩いてる!

 

そして帰りに野や森を進んだ速度は時速2.7キロ。行きよりたるんでやがる…。そして突然襲ってきた山賊との戦い後、死力を振りしぼって走ったとされるラストスパートも時速5.3キロ。早歩き程度の移動速度が算出されてしまいました。ちなみに、フルマラソンの一般男性の平均時速は9キロだそうです。メロス走ってない…。

それに到着後には服がぼろぼろで裸同然だったらしいですが…。戦闘もあって走り続けたからだと思っていたんですが、歩いてたのになんで脱げるんですかね?メロス?

 

確かに現在と違って道も整備されていないでしょうし、もしかした裸足だったかもしれない、結婚式の為のなにかを買っていたかもしれないという遅れの要因は沢山あるので、歩きではなくランニング程度だったかもしれないです。全力でランニング。

ちなみに発表者の村田くんは、「『走れメロス』というタイトルは、『走れよメロス』のほうが合っているなと思いました」と、ざっくばらんに感想を寄せています。やめてください笑いました。研究心もありユーモアもある中学生。これからに期待ですね。